第6章 乗せられて
「でも、上手くはいったみたいだな」
「.......癪ですけどね」
「素直でよろしい。
彼女ちゃーん、ちょっとこっちおいで」
「え?
あ、はい」
光太郎さん達と話していると、黒尾さんに声を掛けられた。
「どうしました?」
ニヤリ、と黒尾さんが深く笑う。
「どうだった?」
「はい?」
どうって、バレー?
ブロック?
「やっぱり黒尾さんは凄いな、と」
「だろだろ」
得意気に胸を張る黒尾さん。
「黒尾さんの指示は的確ですね」
「だてに経験してないからな」
黒尾さんと話している間、なぜか蛍の目が痛かった。
「また教えてください、黒尾さん」
「お、大胆だねー。
任せときなさい」
「黒尾さんのブロック指示、とても分かりやすいですし、私自身学びたいこともあるので」
「は?」
「え?」
蛍と黒尾さんが同時にこちらを見る。
「え?
私、何か変なこと言いました?」
なんでそんな目で見つめるのか。