第6章 乗せられて
「蛍?」
準備室の扉の前に立つと、外から声を掛けた。
「入って来て」
こんなところで、どうしたのかな。
疑問を抱きながらも扉を開け、中に入った。
中は真っ暗で、一瞬脚が竦む。
「波瑠」
腕を引かれ、胸に抱き込まれた。
「蛍...?」
呼び掛けに答えることなく、唇を塞がれた。
「んっ...」
突然触れた唇に驚き、肩が跳ねる。
顎を持ち上げられ、角度を変えて啄まれる。
「ん.....ぅ...」
「は、可愛い」
「急にどうしたの...?
ここ学校なのに」
少し熱のこもった瞳で見上げる。
「別に。
嫌...?」
「人来ちゃうから」
弱々しくその胸板を押し返す。
「ここ、人滅多に来ないらしいから」
「でも...。
光太郎さん達とバレーするんじゃ」
「大丈夫。
途中、黒尾さんに会ったでしょ」
「え、うん」
「だったら大丈夫」
黒尾さんが関わってる?