第5章 バレーボール解禁
人気のない、死角になっている場所に着くと腕を離された。
「お前...まだシてねぇってマジなの?」
「だから、そんなこと...」
あなたに言う必要ないじゃないですか。
そう言おうと途中まで開きかけた口は、黒尾さんの目を見ると動かなかった。
この人の目...真剣だ。
「...してないですよ」
観念して、目を逸らしながら小さく答えた。
「なんでだ?
別にそういう欲がねぇ訳じゃないんだろ?」
なんでこの人、こんなとこまで干渉して来るの?
なんでそんなに真剣なの?
疑問は山程ある。
でも今はそれをぶつけることが叶わない。
「.....そりゃありますよ、僕だって男ですから」
「ならなんで、手を出さねぇ」
「.....シようとはしましたけど、でも波瑠が、痛がってたから。
あの波瑠が...泣いてたから」
「それで断念した訳か」
「はい」
「じゃあ、次シた時にはもっと楽に出来るようにする為の工夫はしてるか?」
「はい、解したりとか...ですけど」
「そうか」