第3章 マメ
「.....なぁ、ひょっとしてだが...研磨も気づいてたのか?」
「え?当然...」
「まじかぁ!
分かってたならなんで教えてくれねーんだよ」
「だって...そういうの...勝手に人に言うものじゃない」
「まぁ、そりゃそうだけどよ」
「俺にくらい教えてくれたって良いだろ、なぁ?」
「ダメ...」
「そろそろ練習始まりそうだから、行きましょう?」
長くなりそうな空気を察し、声を掛ける。
皆ゾロゾロと体育館の前の方に集まる。
「.....学べることは学ばないと」
髪を結び、息を吐き出す。
「今日はまずロードワークからやるぞ!
先頭は木兎、澤村、赤葦。
最後尾は黒尾、柏木。
あとは自由に決めて良い。
以上だ!」
烏養さんが指示を出す。
「おっしゃ、俺先頭だ!」
「木兎さん、ペースちゃんと考えて走ってくださいね」
「分かってるよ、赤葦!」
「そうだぞ、木兎。
お前のペースで最初っから突っ走られたら、うちの後輩が持たん」
「黒尾まで言わなくても分かってるってば!」