第2章 独占欲。
「ダメ。
授業にはちゃんと出ないとあとで困るよ」
「1回くらい出なくたってもそんなに変わんないでしょ」
「けーい?」
「.....分かったよ」
はぁ、と溜め息を吐き、離れた。
「支度しないと間に合わなくなるよ?」
「分かってる」
「じゃ、行こっか、教室」
「波瑠」
「ん?...んっ.....」
振り向いたと同時に、唇に暖かいものが触れる。
蛍の匂いを近くに感じる。
「っ、ちょっと蛍!
ここ学校!」
唇が離れても、まだ動けなかった。
ハッと我に返り声を上げる。
「充電。
しばらく出来なくなるんだし、このくらいは良いでしょ」
今日の夜からもう東京へ向かうからね。
荷物もまとめないとだし、昨日みたく家に泊まる余裕はない。
「.....特別だからね」
「ありがとう」
ふっ、と口元を緩めると再び唇を塞いだ。