第2章 独占欲。
翌朝。
東京へ行く向かう日。
「おはよう、蛍」
「ん...」
登校の時間もあるし、布団で眠る蛍に声を掛ける。
「起きないと遅刻するよ」
「ん.....ぅ...」
なかなか起きてくれない。
昨日途中で起きちゃったし、そりゃ寝不足か。
体調崩さなければ良いけど...。
「.....おはよ」
「おはよう、やっと起きた」
「そんなに寝てた?」
「わりと。
何度声掛けても起きないくらいには」
「そう」
ゆっくりと起き上がると蛍はおもむろに服を脱ぎ始めた。
「け、蛍?」
「着替え、するだけだけど?」
クスリとおかしそうに笑う。
「他の人の着替えは平気なのに、僕の着替えはダメなんだ?」
「だって.....なんか...」
「変なの」
口を動かしながらも手は止めない。
「...ねむ.....」
「朝練大丈夫?」
「へーき。
波瑠こそぶっ倒れないでよね。
僕もう前みたいなのはごめんだから」
「う...ごめん」