第7章 初演練 *水無月*
「だぁ~雨ばっかでつまんねえー…」
『そだね~、洗濯物も乾かないし…』
水無月になって、雨の日が増え始めた頃
今日の内番は、浦島君と一緒に洗濯当番だった
「はぁ~、蜂須賀兄ちゃんも長曾根兄ちゃんも遠征中だからつまんねえ…」
『遠征かぁ~いいなぁ、みんな遠征出陣とか行けて…』
「サキちゃん、そればっかだな~」
『だってぇ…』
浦島君と今日は使わないと言っていた洋広間に衣類を干しながらそんな話をしていると、廊下を誰かダッシュで走っていた。今日近侍になっていた一期一振さんだった
『一期さん、どうしたんですか?』
「あっ、桜華切殿に浦島殿ッ…!すみません、急な手紙がありますので…」
『手紙?』
「えぇ、主殿へ!!」
息を切らしていた一期さんは、またすぐに主ちゃんの部屋の方へ走って行ってしまった
主ちゃんへは、たまに政府からの手紙が来る
主ちゃんは、あたし的にはよく分からないけどかなり力の強い審神者らしい。あたしみたいな刀剣女士を顕現したりすることは、かなり難しい事みたいで政府ともかなり揉めたうえでの顕現だったみたい
でも、普段ならあんなに慌てることなんてない
そこまでの大事な内容なのかな・・・