第6章 懐剣の苦難
「あっ!!いたいた、冴姫」
『あ、加州君』
姉様の部屋にいたら、加州君がやってきた
新選組のことを考えていたから現れたからちょっと驚いてしまった
「冴姫さぁ、除光液持ってない?」
『じょ…除光液?』
「鍛錬してたら爪割っちゃってさ、せっかくだから1から塗りなおそうと思ったんだけど除光液切らしてたから」
『あぁ、あるよ。部屋にあるから持ってくるよ。』
「あぁ、ありがと」
と、座敷に座っていたあたしは立ち上がって姉様の部屋を出た。加州君と他愛ない話をしていた時、あたしはふと思い出した
『ねぇ、加州君』
「ん?」
『加州君って、この本丸で一番の古株でしょ?なら、主ちゃんの友達の審神者さんの事って…』ダンッ!!!!
あたしの背後から大きな音が聞こえたからあたしはすぐに振り返った。すると、あたしの隣を歩いていた加州君が廊下の壁を殴っていた
『か…加州君?』
「…ごめん。なんでもないから」
『なんでもなかったら、壁殴ったりしないよね?』
「…虫いたんだよ。勢い余っちゃっただけだから気にしないで」
そう言って、あたしの肩をポンっと叩いてあたしの部屋へ向かっていく。壁を殴っていた時の加州君の顔が見たことないくらい怖い顔をしていた・・・
姉様と言い加州君と言い・・・
この本丸には、あたしの知らない大きな秘密があるのだと思ったけど、思っただけでそれ以上踏み込んでもいけないのではと思ってしまった