第6章 懐剣の苦難
『ん…?』
目を覚ますと、障子の外はすっかり明るくなっていた
浴衣もキレイに着ているし、昨日のあれは夢だったのではないかと思って・・・!?
『ゥぐ…こ、腰ぃ…』
起き上がろうとした瞬間、腰と股に激痛が走った
ギリギリ起き上がれるくらいだったけど、クローゼットに向かうだけで大変だった
『…あぁ、三日月さんのあほぉ…』
ギリギリ一番手前にある甚平に手をかけて着替えをしていたら、またいきなり障子が開いた
「冴姫姉ちゃんおはよう!!」
『あ…乱ちゃんおはよ』
入ってきたのは乱ちゃんで、今日も甚平を借りに来た
ここ最近は、乱ちゃん用に新しく買ったばかりだがなぜかあたしのところに借りに来る
「あれ?お姉ちゃんどうしたの?」
『え?』
「なんか腰が曲がってる」
『え…いや、なんでもないよ?』
「ふーん…」
乱ちゃんはなぜかムッとしたような顔をしながらあたしのクローゼットを開ける。着替えをしながら乱ちゃんはあたしの身体をジロジロ見ていた
「…お姉ちゃん、首にあとついてるよ?」
『えっ!?どこ…』
「…やっぱり誰かとエッチしたんだ」
『え…』
「ボクが一番にお姉ちゃんをもらっちゃおうと思ったのに…」
『み…乱ちゃん?』
急にいつもの可愛い顔が一変して男の子らしい顔になった乱ちゃんはあたしに近づいてきて急にあたしの腕を掴んだ
あたしの腰に手を回して顔を近づけてくる乱ちゃんに、ギュッと目を閉じた
すると、フワッと頬に温かい感じがした
『み…乱ちゃん!?』
「へへへ、冗談だよ。ボクはお姉ちゃんのことは本当のお姉ちゃんみたいに思ってるから。…まぁ、食べたくないって言ったらうそになるけどね♡」
ウインクとともに舌をペロッと出す乱ちゃんは現代でいうところの小悪魔系なのだとこの時実感した・・・