第4章 誘惑・・・? *五月*
あたしが顕現されて早1月
季節は、木の葉が艶やかな緑に色づく五月(5月)
今日のあたしは・・・
『ふぅ…これで終わりかな』
「やっぱ人数多いと疲れちまうな~」
『そだね~。顕現されたばっかりなのにごめんね貞ちゃん』
「いいよサキちゃん!可愛い子と一緒に内番ができて俺すっげえ嬉しいぜ!!」
内番の洗濯当番を、先日顕現されたばかりの太鼓鐘貞宗こと貞ちゃんと行っていた
貞ちゃんとはすぐに親しくなって、よく話をする中で伊達政宗様の刀だったという縁で光忠さんと大倶利伽羅さんとも以前よりも話すようになった気がする
「そうだ!!サキちゃん!みっちゃんがずんだ餅作ってくれるってよ!!食いに行こうぜ!!」
『あ、ありがとう。でもごめんね、この後粟田口の子達に呼ばれてるんだ、遊ぼって。』
「あぁ~、サキちゃんは人気者だからな。分かった、じゃサキちゃんの分取っといてやるからあとで食いに来てくれよな!!」
『分かった、楽しみにしてるね。…じゃああたし片付けておくね。』
「あぁ!!また後でなー!!」
と、貞ちゃんは炊事場に走って行ってしまった
空になった洗濯かごを持って洗濯所を後にしたあたしは、ふと中庭を見た。
するとそこに今まさに出陣しようとしている集団がいた
あたしは洗濯かごを持ったままその集団に声をかけた