第3章 大宴会
夕方になって、本丸中が慌ただしくなってきた
ほかの刀剣男士さんたちは、あたしと数珠丸様の懇親会の準備のため皆が走り回っているのだった
あたしはというと、会の主役だからと自室に追いやられていた
時々粟田口の短刀君達が「冴姫お姉さん、もう少し待っていてくださいね」「ボクが呼びに来るからね!」と顔を出してくれたけど・・・さすがに退屈だった
主ちゃんの描いた漫画とか雑誌もすっかり読み切ってしまったし・・・
『はぁぁ~…退屈だ…』
と、部屋の中をゴロゴロしていたら障子の外から声が聞こえた。
「…いいか?」
『あ…はい』
慌てて起き上がるのと同じタイミングで障子が開いた
廊下にいたのは、大倶利伽羅さんだった
「…支度ができたぞ」
『あ…はい、今行きます』
乱ちゃんじゃなかった・・・と内心ショックを受けつつ、大倶利伽羅さんに着いていった。
さっき兼さんの手入れの後に少しだけ洗濯の手伝いに行った時大倶利伽羅さんと初対面したけど、いきなり「慣れ合うつもりはない」と一刀両断されてしまったため苦手の部類に入ってしまっている
懇親会の会場に向かう時も一言も発さずに向かっている
息が詰まりそうである・・・
「おや、冴姫殿。」
『あ、数珠丸様!!』
会場の大広間に向かっていると、廊下の角で数珠丸様とにっかりさんに会った。あたしは解放されたように2人に近づいた
2人の雰囲気も独特だけど、大倶利伽羅さんよりはマシ・・・いや、楽だと思ったから・・・