第1章 鍛刀完成 *卯月*
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数個の影が、本丸の上の中央2階にある主の部屋に向かっていた
「主…」
「来たね、みんな」
昼間の審神者とは雰囲気が違った
それはまさに、本丸を治めるにふさわしい出で立ちだった
「主、彼女は…」
「あの子を思って顕現したら、瓜二つになっちゃったね。可愛いからいいけど」
「またそのような…」
主の部屋にいるのは、主の他に5人
その中の1人がため息をつく
「やけんど主、なんで女の刀剣なんか・・・」
「今更審神者増やしても困るだけだから…。それに、あんたらにも必要でしょ。紅一点」
「俺は主がいてくれればそれでいいんだけど?」
「…俺はどうでもいい」
「まぁ、陸奥守は喜んでいるようですが?」
「なっ!?別にわしは喜んじょらん!!」
「はいはいうるさい。…分かってると思うけど、彼女はあたしの親友よ。大事にね」
多少の笑いは起こったが、審神者は真面目な顔に戻り5人にそう告げた。5人共まっすぐ審神者を見つめながらうなずいた
「まぁ俺達そもそも仲間は裏切らないからね」
「期待してるよ。ネタ的にも」
「ネタって…主懲りないね。主が相手してくれればいいのに…」
「生憎私は可愛い女の子と歴史と刀にしか興味ないの」
「…僕たちは刀剣だよ?」
「男になったら意味ない」
そんな会話を、主の部屋で繰り広げていた夜であった