第13章 ハグの日 *葉月*
「はい!夕餉になりました!今から…結果発表です!!」
今日は洋広間での夕餉
主ちゃんがあたしたちの前でそう言う
結局、兼さんと数人以外はあたしとハグをした。
誰が一番だったかをここで決める
「冴姫、だれが一番ドキッとした?」
『…ドキッとしたのは』
みんなを見渡すと、短刀達はあたしをじっと見つめ太刀の何人かは余裕の表情。全員を見てすぅっと息を吸い言葉を発した
『…一期一振さんです』
その言葉に、ある者は歓声を・・・ある者は驚愕の声を上げた。自分だと思ったのに・・・どうして一期一振なんだ?という声もあった
「…よし、勝った一期一振と冴姫には、商品を上げる」
と、いつの間にか前に出ていた一期さんとあたしにある紙を渡してくれた。それを見ると・・・
『えっ主ちゃんこれ…』
「そう!〈夏祭りの花火大会ペアチケット〉!!どうしてもネタのために…いや、冴姫のためにわざわざゲットしました!!それを渡すために今回のことを企画しました。だから2人ともきっちり楽しんでね」
と、主ちゃんはそう言って夕餉の席に戻ってしまった
主ちゃんにもらったチケットを見ていると、そばに一期さんが近づいてきた
「楽しみですね、花火大会」
いつもの優しい笑顔だ
悪意とかを全然感じない一期さんの笑顔にあたしは『そうですね』というしかできなかった
ホントは、一緒に行きたい人・・・違うのに
まぁ、向こうはきっとそれに至る行動すらしないのだから可能性もないのだろう。きっとこれは、あきらめの境地なのだろうとこのとき思った