第13章 ハグの日 *葉月*
日中の気温が高く、日の下にいることが苦に思える葉月の朝
今日の本丸は、朝から慌ただしかった
蛍丸「お姉ちゃーん!!なんで逃げるのさ!!」
乱「冴姫姉ちゃん逃げないでよーーー!!」
『ごめんねー!!いろいろ事情があるの!!』
いつもなら一緒にいる蛍ちゃんや乱ちゃんから、今日のあたしは逃げていた
***
事の発端は、昨日の夜・・・
主ちゃん・・・じゃなくて凛華に部屋に呼ばれたあたしは、そこでいわゆる女子トークなるものをした
その中で、現世にある変わった日があることをきいた
『ハグの日?』
「うん、別に誰かが制定したとかじゃないんだけどね。現世の暦の8月9日のゴロからハ(8)グ(9)の日って二次創作の中では有名なんだよ。」
『へぇ~』
漫画家をしている凛華だからか、そういう事に関しては敏感だったらしい
『それで、その日がどうしたの?』
「…あのね、ちょっとおもしろいことを思いついたの」
『…何?』
ロクなアイデアじゃないことは頭では分かっているけど、凛華の手前聞かずにはいられなかった。
それをいいことに凛華はとても楽しそうな顔をしていた
「あのね、明日この本丸で《ハグ大会》的なことをしようと思います!!」
『…目的は?』
「…今月のネタに困ってまして…」
・・・主ちゃん曰く、今日1日刀剣男士達からは全力で逃げろとのことだそうです。刀剣男士達は、逆にハグをしにかかってくるらしい
今日一日ハグをされない様にすればいいらしい
もしくは、ハグをされてもいいけどそのハグの中で最もトキメくハグをした刀剣男士についてレポートなるものを描けばいいらしい・・・ネタのために
だからあたしは、今日は全力で刀剣男士さん達が逃げるように・・・
しないといけないのに・・・