第11章 思い人
次の日、昨夜の記憶があいまいなあたしは今日は初めて凛華の近侍になった。今は凛華に渡された依頼札で1振り刀を顕現するために1人顕現部屋にいた
『…ふぅ』
一息吐いて、刀の上に依頼札を置いた
桜吹雪が辺りに舞うと、刀から人の姿が現れた
「huhuhu。ワタシは千子村正。そう、妖刀とか言われているあの村正デスよ。」
・・・変な人来たな
とりあえずあたしは、村正と言う人に声をかける
『あ、初めまして。あたしは桜華切冴姫。今日の近侍を務めていま…』
「おや、これは何とも美しい。妖しい魅力のワタシですら魅了されてしまいそうデスね。」
打刀と聞いていたけど、ガタイがよくて大きく見えてしまう村正さんがあたしの目の前に来てあたしの手を握る。そんなあたしの手に軽くキスを落とすとまたhuhuhu…と笑い出した
「貴女に出会えた喜びを表すため、脱ぎましょうか?」
『わぁー!!脱ごうとしないでください!!』
自分の服に手をかけて今にも脱ごうとする村正さんを止めた
凛華には、新しく来た刀剣男士に本丸内を案内してやれと言われていたから村正さんと顕現部屋を出た
「そういえば、ここにはワタシのファミリーはいないのデスか?」
『ファミリー?』
「えぇ、村正のファミリー蜻蛉切デス」
『あぁ、蜻蛉切さんと同じなんですね。じゃあまずは蜻蛉切さんの所に行きましょうか』
と、村正さんの言葉で今は内番で手合わせ中の蜻蛉切さんの元へ向かうことにした