第8章 愛情と劣情
『いッ…痛い!!痛いです小狐丸様!!』
「私は先ほど、他所の狐に奪われるなどと言ったはず。だから、どこぞの狐につけられた傷など私が消して差し上げましょう」
『だからって…噛まないで…ッ』
「ふふ、痛いですよね…野生ゆえ」
ニコッと笑った小狐丸様はまたあたしの口に吸い付く
ほんのり血の味がする小狐丸様の舌があたしの舌を弄ぶように絡まってくる
『あ、ふっ…んぁ…』
キスをしながらあたしの身体を撫でまわしながらあたしの着物を脱がしていくと、はぁ…とため息をついた
「あぁ、なんと美しい…これでは私まで劣情を抱いてしまう。他の狐では飽き足らず本丸内のものにも見せたくない…」
『ふぇ…?』
「冴姫…まぐわいましょう。」
唐突に言われた言葉に、あたしは目を丸くしたと思う
まぐわい・・・だと?
『こ…小狐丸様!?』
「大丈夫です、これも一つの愛情と思えば」
『いやさっきと言ってることが…ひぁ!!』
話の最中だというのに、小狐丸様があたしの足の間に触れた
突然の感覚に思わず声を荒げてしまったら、小狐丸様は嬉しそうに笑う
「冴姫…今だけでいい。私に身を委ねてください」
『え…』
優しい声で囁き、あたしの額に軽いキスを落とした
それからは・・・