第3章 保健医×にのみや先生
「こんなの、相葉さんが俺たちを焚き付けるためにしたことに決まってるでしょ」
私の胸に括り付けられたスカーフを指で掬い上げられて、思わず体が緊張する。
自分でしたとは言え、この体制はさすがに鼓動が高鳴って堪らない。
「相葉さんが に手出す訳がないし、大体あの人演技下手すぎるよ。どうせ暑くて脱いだスカーフ、教室に忘れるかなんかしたんでしょ」
誤解どころか、なんだか先生は全部、見透かしてたみたいだ。
そうだった、二宮先生は誰よりもしたたかで、器用で、
本当はなんだってわかってる。
そういう人だってこと、一瞬忘れてた…。