第2章 国語教師×まつもと先生
『でも私の恋愛経験なんて、先生なにも知りませんよね?』
「お前彼氏いないでしょ」
『…え』
「好きな人もいない」
『………』
なんだろう。なんか切なくなってきた。
言葉を何も返せないまま、床に散らばる残りのプリントをかき集める。
全部集めて、とんとん、と整えて先生に差し出す。
先生は立ったまま、しゃがんだ私を見下ろすようにして、それを受け取った。
「でも、お前頑張ってるよね」
『…?』
「 は努力家じゃん、国語も点数は悪いけど、本当は凄え勉強してる。点数が伸びないこと、真剣に悩んで」
…なんで知ってんの?
担任でもない、ただの国語の先生。
なんで私が国語で悩んでることとか、他の教科の点数とか。