第1章 数学教師×さくらい先生.
「ぷっ…くく…あはははは…」
『…ほんっとにあり得ない、最低、最低教師…』
肩をすくめてびっくりしていた私に、
櫻井先生は、冗談に決まってんだろ、と爆笑を決めて見せた。
そしてまだ私の前で腹を抱えて笑っている。
もう、信じられない本当に。
最低…、最低だこの人…。
『なんなんですか…!』
「ごめんごめん…、だってお前が本気にすると思わなくてさ…、あー、面白い」
『もう、帰ります!携帯返して下さい』
ムカつく!信じらんない!
あからさまに怒っている私に、櫻井先生はまだくすくすと笑っている。
扉の前まで足早に歩いてきたけど、
このまま櫻井先生に負けっぱなしで帰るのは悔しくて、ずっと思っていたことを最後にぶつけてやりたくなって、
私は一度振り返った。