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君と並んで歩く未来

第5章 極星のマリア


その言葉に創馬は笑って答える
「これは鯖の缶詰を使った『鯖バーグ』だ!」
「鯖缶だって!?」
驚愕するふみ緒に瀬凪が説明を繋ぐ
「玉ねぎにパン粉…そして汁を軽く切った鯖をほぐし混ぜて塩・コショウを加え焼き上げればふわふわの鯖バーグができるんです」
「さらに鯖缶の汁にポン酢を合わせ水溶き片栗粉でとろみをつけると…さっぱり風味のお手軽ソースに!」
彼女に続き再び創馬が説明する
「何をばかな…鯖缶のハンバーグなんか生臭くて食えたものじゃあ」
そういって一口口に含むと目を見開き
「(旨いいいいいいッ!!)」
肉を使ってると言われたら信じてしまいそうな肉厚感!かつふわりとした見事な焼き上がり…
「(ではこちらの卵スープは!?)」
卵スープが入っている茶碗を手に持ちすする
「な…なんだいこれは!?」
彼女は驚く。それもそのはず
「アンタ達一体どうやってこれを!?こんぶも鰹節も…出汁をとれる物なんて無かったはずだ!!」
その言葉に創馬は
「それについては…ちょうど手持ちがあったんでね」
そう言って自身が咥えているスルメを人差し指ではじいた
「スルメで出汁をとったっていうのかい!?」
驚く彼女に瀬凪は説明する
「乾物であるスルメはうまみ成分の塊です。熱湯にしばらく浸しておいて塩で味を調えれば、しっかりとした出汁がきいた味わい深いスープが完成するんです」
「以上、名付けてゆきひら印のあり合わせ鯖バーグ定食だ!!」
その言葉を聞きながらふみ緒は定食を食べていた。そして若かりしき頃の海での出来事を思い出していた。しかも記憶と現実が混濁したのか
「放せババアーー!!!」
創馬を襲っていた。それに創馬は顔面蒼白で抵抗しており、瀬凪は目を瞬かせていた
「つか、瀬凪ー!見てないで助けてくれ!」
そして正気に戻ったふみ緒は一つ咳ばらいをし
「よろしい!アンタたちの部屋は303号室と304号室だ!」
「入寮を認める!!」
「お粗末様っ!」
「ありがとうございます」
こうして無事に二人は極星寮に入寮できたのであった。そしてこの後田所恵は不憫に見舞われるのであった
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