第27章 変化
「ヴォオオオオオオ」
だだだだ
ひゅっ
また再び必死にケイトへ向けて駆けてきて、拳を振り被ってきた。
それに対して目先で棒の突きの寸止めをして動きを止めた次の瞬間、ノーガードの顎に左鉄拳、ミノタウロスの右かかとに棒を差し込み右膝の上に乗せる。
そのまま左かかとに右足をかけて足払いをしつつ右手で掴んで上へ引き上げた後、棒の端へ右肘打ちをし、支えを失ったミノタウロスは後ろ向きへ倒れさせる。
と共に宙に浮くそれに対して、倒れ込むミノタウロスの鳩尾に飛び込み左拳槌を叩き込む。棒を右手で握った上で。
どごおおおおおおおっ!!!!
ビシシシシシシシシシッ
地面ごと叩き割る威力のそれは容易く決まり、起き上がるまでのそれを遅くさせて
起き上がろうとする間に、ミノタウロスに両足が着いたと同時に僅かに跳び上がりつつ棒で再び迷宮の壁へと叩き付けた。
ぱらぱらと瓦礫と化した石がミノタウロスに降りかかって覆い、見えなくなる。
どごぉっ!!!
次の瞬間、ミノタウロスは頭を振ってそれを荒々しく振り払いながら方向と共に再び立ち上がった。
ケイト「かかってこいよ、木偶の坊」ふっ
不敵に笑って棒を左肩に掛け、もう片方を左手の付け根に乗せた状態で
左手をミノタウロスへ出し、指先を上に向けたままくいくいっと招いた。
『かっけえええええ!!』
ラウル「人にもあんな風に当てれれば!!勿体ないっすよおおおお!!;」くぅっ!←悔し気に拳を握り歯を食いしばる
リヴェリア「無駄のない防御と攻撃だな。特に防御が攻め込める隙も無い。
フィン、お前ならどう攻略する?」
フィン「ご想像にお任せするよ。
と言っても…少なくとも、一人だけでは崩せないだろうね」
リヴェリア「そうだな」
ガレス「最早鉄壁の域に達しとる」
ケイト「私はまだ、ここから一歩も動いちゃいないぜ?」にや←周囲の声は聞こえていない
『くああああ!痺れるううううう//』
「ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
遂に痺れを切らしたように、今もなお自らに降りかかる迷宮の壁の欠片を振り払い、またも攻撃(突撃)をしかけてくる。