第20章 龍人化
ケイト「フィ…ン……」ぎゅっ
フィン「…ケイト…」
かくっ
フィン「?……(疲れて寝た、か」そっ
そう考えながら、そっとケイトを背負った。
そんな最中、魔力が雪のように戻っていった。
まるで奇跡の光の後のように、白い光を蛍のように散りばめながら…←45ページ参照
アイズ「!魔力が…」
レフィーヤ「!戻ってきてる」
リヴェリア「あれだけ強く、実体として結び付いていた魔力が…」
フィン「今、ケイトの中に残っているのは…ケイト自身が持っていた魔力なんだろうね」
天を仰ぎながら、僕は呟いた。
星のように散るそれは…
あの小人族の復興を誓った時に見た、白ばんだ夜空を想起させた。
帰り道の最中…
フィン「ケイト…始祖神としての記憶を取り戻したのかい?
それとも……」
ケイト「私が、作ったんだ…
『要らないものなんて、一つとしてない』と伝える為に、全ての世界を。
だから……無関係のそれでも、殺していいとは思えない。
その一人には、また家族がある。
それまでに受け継がれてきた命がある、食べてきた命がある。
全てが繋がってるんだ…大切な、掛け替えのない個人なんだ。
全ての時代、全ての環境において、その『人』は『たった一つしかない』。
全てが同じ人なんて一人としていない。だから、大切にって…
それで傷付けられない。傷付けることが苦痛に感じる人がいることを…忘れないで欲しい。
だから…『世界』という形を、作ったんだ。
それを…悟って…どんなものでも、大切にって……
ただ……合わない人といるのがものすんごく辛いんだけどね^^;
位が違い過ぎて」
フィン「ははっ^^;
それについては…あながち、否定できないかな。
どうしても合わない人というのは、やはりどこにでもいる」
ケイトを背負ったまま、僕は苦笑交じりに呟いた。
ケイト「ごめん、フィン…」
フィン「?何がだい?」
ケイト「………吠えたい」
フィン「え?;(聞き間違いかな?;」引きつり笑い
ケイト「今、無性に吠えたい!」
フィン「………どうぞ?」
ケイト「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん」
十分後、ホームの前についてもなおそれは続いた。