第19章 宴
フィン「なんで君が苦しむ?」
ケイト「……だってさ…殺されたから……殺されたから、殺されて残されたものの気持ちは痛いほどわかるんだよ。
だから…」
フィン「関係ないね」
ケイト「そんなのダメだ!!」
フィン「相手は何をした?今も何をしている?」
ケイト「!…っ」ぎりっ!!
フィン「考え直せ。あいつらは絶対に自らを悪だとは思わない。
環境を伝えてもなお、彼等彼女等は嘘だと笑った。
嘘ではない証拠を全て突き付けてもなお、自分が被害者なのだと嗤った。
理由、経緯、そんなのはあいつらにとってはどうでもいいことなのだと理解した。
あいつらはただ…いたぶれるおもちゃを探して、無抵抗な君を狂ってもなお続けた悪道だ。
いや…今も続けている分、質が悪い。
それが事実だ。
街の人達の、君の15年間必死の想いで貫いてきた、懸命な行動への答えだ!!」
だぁんっ!!
フィン「………だから、言っている…(ぎゅっ!ぎりっ!!)←拳を握り締め、歯を食いしばる
君の想いも、覚悟も、傷付けないという行動も、全部!あいつらにとってはどうでもいい!!
そんな輩にっ!何故君はっ…それでもなお、味あわせまいとできる?」ぐいっ
ケイト「……私さ…会いに行くんだ。
どんなに殺されかけたって、絶対に会うんだ!
だから!戦うって決めたんだ。泣いたって止まってくれないから!!
相手は絶対に変わってくれないから!
だからさ…自分と必死に戦い抜いた。
最後あたりは、自分を責めて当然ってなっちゃったけど…
それが見てて痛々しいって、フィンの言葉でわかったけれど…
それでも…私は、前を向いて…皆と共に後ろじゃなく前へ進んで、生きたいです!
過去は変わんない。やったって不毛でしかないよ。
だからさ…お願いだ。あいつらを、殺さないで」
寝転んだ状態から起き上がり、深々と頭を下げた。
何故…君が、そんな顔をする?
何で…哀しいという表情を、君が浮かべている?
苛立ちが、僕の中を占めた。