第98章 天泣(てんきゅう)
恵土からの希望はミデンに帰りたい、出来れば1年以内に
それに対し
アフトクラトルは条件を付けていた
・食事は生身で摂ること
・トリオンを渡すこと
・有事(襲撃)の際は決められた場所へ避難し戦闘しないこと
以上の条件を守れば、衣食住は保障すると
結論が出るまで時間が掛かると聞き
期限も1年であったことから了承した
で…気付けば半年が経過していた
一番最初に朝ご飯を貰ってから
着替えさせられ、年の近い家族を紹介された
それ以外は忙しいとして会わさずにいた
ランバネインと仲良くなり、主に戦闘ごっこで遊び出していた
戦闘訓練ではウィザ爺と手合わせをしたがった
引き分けが続いていたこともあり、1日中使っても量が尽きず計測機器がエラーを起こし続けるほど
というのもあり…
トリオンを吸い続ける機械を付けたまま、トリオン体でやるように命じた
内容は戦闘時の状況において、何日でも好きに書いていいというもの
それを伝え、何百枚もの紙と数本のペンを与えた
結果……
5日間ぶっ続けで書き通し(百枚以上びっしり埋まっていた)
生身で沢山食べてから2日間寝た
書かれた紙(A3)は235枚であり
疲れた、と零されて集中力が切れた為、終わった
試したかったのは集中力、だけでなく、トリオンがどれだけで尽きるかもあった
しかし…トリオンは底を知れず、尽きることも測定不能から脱することも無く、ずっとわからないままだった
恵土が書いた内容としては…
襲撃を受けた際の避難経路、周りへの誘導
周囲の立ち回り、護衛する戦闘員の配置、視野
敵からの狙い、各状況に合わせての立ち位置(どの方角を意識するか、ダミー(囮)とする場はどこか)
戦闘時においての配慮、入れるべき視野、範囲の指定
近付けてはいけない場、予測されないようにどう立ち回るか
その他諸々
等々が延々に書き連ねられていた
『7歳児か…?これで?』
見た感想がそれだった
上層部は顔を見合わせ、沈黙した
図で簡易的に書かれた内容を見て、そのままマニュアルに使えるものもそこにはあった
人は全部棒人間の姿だが
建物の配置、距離、経路に始まり
持っているもの(武器)、方角等、細かく指定されており
どれも読み解ける範囲内に収まっていた
次の週、どれだけ戦えるかトリオン体でまた行われることになった
