第97章 神無(しんむ)
そこから更に縮むことになる…
もし…もしも……
削るものが…無くなってしまうと
今度こそ死ぬ(全てが消える)
癌と半グロの呼び名をどうしようか…
ゴミではゴミに失礼
再利用出来るのだし…
塵芥でも塵芥に失礼だし
消えるべき二度と生まれないべき存在でも無いし…
ああでもないこうでもない…
そんな中での発言だった
それに言葉を失う中…頭を撫でてやることしか出来なかった
人為的に消させられるか(癌と半グロ)
寿命を迎えて消えるか(原初の始祖神)
双方の違いを、改めて認識し直していた
殺害者の肩を持つか
あるいは母の肩を持つか
我欲しか見ず責任も後始末も全て人へ着せ続け、悪くない大事にされたいと願う犯罪者を見捨てるか
実在化の為に身を投げ打ち続け、犠牲となり続ける全ての母体となった原初の始祖神を見捨てるか
10月12日
一度ケイトが亡くなってから、半年以上が経ったからこそ
改めて議論していた際でのこと
ケイトの涙に…慟哭に…
僕達は寄り添うことしか出来ずにいた
僕達に宿る一部を使って、それをもとに蘇らせ、再生させることに成功した
だが次はそうはいかない
だからこそ真剣に話し合っていた
が…
どんなに恐くても、恐くない振りをしないと
笑わないと
そうでないとみんなが安心できない
そう…ずっと……
ずっと、自分に言い聞かせてきた
その歪(ひずみ)が、反動となってケイトの身へ押し寄せていた
それが形となって出たのが…
不安の発露と、恐怖からの慟哭だった
それに抱き締める形で返した
必ず守る
そう…ずっと君は、僕達へ向けて、自らの全てを賭して、削って…信じて…
(ケイトの満面の笑みが浮かび、悲しげに目を細め、目を閉じる)
託してくれた
己が身の全ても、愛も、心も…全てを——
だから…今度は僕達の番なんだ
守らせてくれ
必ず守るから
そう言い聞かせて、目を伏せさせ
思う存分、声が枯れるまで泣き叫ばせた
頭を撫でて、抱き寄せて
頬へ唇を落として、腕の中に閉じ込めて
大事に大事に包み込むように…
僕達は、君のように削って与えることは出来ない
そうなってしまっては…他ならぬ君が苦しむから
だから…僕達に出来ることで、僕達にしか出来ないことで返す
そう、応えた
これまでの恩に報いる為に