第96章 神年(しんねん)
数日前…
真夜中
AM3:59
初代&ケイト『もうやめてええええええええ!!!!!!!!』
真っ暗闇の中、無数の自ら身投げする魂達へ手を必死に伸ばす
がばっ!!
ケイト「はあっ
はあっはあっ
(また…夢か
あの時の…っ」右掌で顔を覆う
ベッドに一粒の雫が落ちて行った
10万年前
身投げを止められず、実在化を放棄した時の記憶が
つい先程起こったことのように、すぐ目の前であったかのように、蘇る
ありありと…
まざまざと…
見せつけられるように——
それが…ケイトを苦しめていた
その元凶が…
主犯格の癌(ベル・クラネル)
それさえいなければ……
誰も身投げせず、放棄もせず、ただただ笑って過ごせていられただろう…
お互いに……
一人で戦ってきた
全てを捧げてまで守ると誓った
そんな戦士への扱いが、胡座をかいて好き放題するだけ
理解のある人達、実在化を司る方々を除いて全てが…
その仕打ちを、残酷とも惨いとも酷いとも思わない
更に求める精神性しか持ち合わさない
今があるのも当然としか思わない
甘やかされるのが当然だとしか——
癌一同と、半グロと、全く同じ在り方を———
戦うだけ無駄
頑張るだけ無駄
その優しさを利用されるだけ
笑って、慟哭する様を肴に好き勝手するだけ
原初の始祖神達にとって…実在化を司る方々を除く全ては——「絶望」そのものだ
2月13日(外は2月14日)
AM3:05
実在化を放棄した
もう何も感じたくない
もう何も思いたくない
認識もしたくない
自覚もしたくもない
もう何も要らない——
二度と、目覚めないで——何も聞こえないで
願いは…それだけ
闇に仰向けに沈み、端から溶けて消えてゆく目を瞑ったケイトの姿が浮かぶ
分体も作れない
生きている状態でも、死んだ後でも…
そしてそれは……二度と、記憶も自我も形成されず、増えないことを意味する
つまり……
次期原初の始祖神が生まれる前に、ケイトは消滅する
二度と目覚めない
二度と思い出を作れない
大事な人達との未来を全て対価に回す行為だった
次期原初の始祖神は
原初の始祖神からしか生まれない
そうできている
創世神の親が創世神を生んだように
創世神が原初の始祖神となったように
原初の始祖神がケイトを生んだように…