第95章 神(しん)
フィン「心を無くせというのか!!?」
神卵「あー…
言葉が悪かったかな?(傾げ)
削るのを無くすのは無理っていうのはね
ケイトからすれば、大事にしたい心を無くせって言われるのと一緒ってこと
削るなって言うのはね
大事に思わないようにしない限り出来ないの
必ず守らないって強く思わない限り
削らないなんて行為には走れないの
それが逆に苦しめてるの
苦しいからやめてくれって言われれば言われるほど
無意識で、自分という軸そのものが『自分を削るという行為』そのものなの
だから言われれば言われるほど苦しくなるの
自分の在り方を否定されてるようなものだから
削るのをやめろ、そうしてまで守るなって言われたって無理なの
自分の在り方だから、意志そのものだから
必ず守るという、ね…
身を削ってでも、と決めたから
それが実在化なの
それをわかって欲しいの
癌化や半グロ化を無くすには
ケイトをどうこうするんじゃなくて
癌と半グロをどうにかするしかないの
悪い方を変えようとするんじゃなくて
良い方を変えようとするようなものだから
つまり逆なの
罰を受けたり変わるべき人に、変わらないでいいよなんて言うようなものだし
だからね…
苦しめてるのは君達の方なんだよ?
悪い方じゃなくって、良い方に変わってって迫るから
悪いことをしてるんなら、止めたり、やめて?って言ったらいいと思う
でも逆じゃない?今の状況的に」
フィン「だが…削るのを減らすには
神卵「それこそ消さなきゃじゃない
だから悪の存在する世界を全て消して
それに付随する全ても消して回ってるんじゃない
これまで好き放題に穢して回って、削りを増やして、守ってもらった側で続けてきた仇返しへの処罰を
ちゃんとマーカーはついてるから大丈夫だよ
焦るのもわかるけど…
それで傷付けちゃいけないものを傷付けたら駄目だよ
益々削りが増えちゃう
心労が増えて傷まで増えちゃう
治りがどんどん遅くなっちゃう
疲弊すれば疲弊するほど悪循環の一方だよ」
フィン「………
そうか…
済まない
だが…これだけは分かって欲しい
苦しめたいからしてるんじゃない
大事だから避けられないんだ
避けたくないんだ
今も身を削り続けているケイトの行動を、軽んじられている状況は何一つとして変わらないから」
