第95章 神(しん)
フィン「結論から言ってくれ!
癌や半グロは全て消えた!
これ以上、君の身を削りたくない!!
今君の身を削っているのはなんだ!!?(がしっ!!)←肩を掴む
どうすればこれ以上削られずに済むんだ!!?」揺さぶる
答えろ!!
そう、涙を浮かべながら
消え行く身体を前にして
必死に叫んだ
そんな運命を…ただただ、変えたくて…その一心で——
ケイト「免疫を付ける為に…
避けられないことだった
作品を、この世に出すことは……
だから…半グロを、癌に近しい存在を
野放しにして、書けるように操作した
それを、癌の世界を…己が実在した世界で、共に果たした「全てを消す」という犯罪行為を、犯罪行為とも思わぬ心のままで——
そうでなければ、この世には残せはしないから———
だから……
その役目を果たし終えた時…
それはようやっと消える
もう直に消えてなくなる
人も、作品も、全て…
海に没して消えてゆく……
洗い流して…
一度全てを——」
その瞬間…水の音がした
息が出来る水…
それらが辺り一帯を包み込み、世界全体を
何が起こっているのかわからず
ケイトを見た
しかし……
意識が遠ざかったような目で、力無くだらりと成す術も無く揺らめいていた
作品は全て消えた
泡のように溶けて消え、光となって辺り一面へ散っていった
人も…全て……
癌へ加担し、共犯した存在全てが——ものも込みで
フィン「ケイト!
ケイト!!」
必死に揺さぶる中で
なんの返答も無く
目が光り、神卵が出てきた
神卵「ごめんね…
こちらの意志なの
汚れが酷いと…とても生きられなくって
辛いんだ…
ごめんね」
フィン「ケイトをどうした!!?」
神卵「大丈夫…
眠ってるだけ
相性が良かったから
少しだけ代弁してもらったの
最後のだけは本音だよ
それまで並べ立てたのは…創世神達の意志
ねえ…本当に、わかってる?
ケイトがなんで…
そんなことを言うのか
どうしてまだ、苦しんでいるのか」
フィン「……………何故
神卵「ふふふっ
簡単なことだよ^^
君達だよ」
フィン「…!!」瞠目
神卵「君達が…意志があるから
それを軽んじたくないから
自分を削っちゃうんだよ
無くなってでもね…
だから苦しんでる
苦しめてるのは君達だよ」