第93章 深淵(しんえん)
隊長「美味しいんだよ
清浄な空気が
そして…――」
『そして?』首傾げ
隊長「僕達、神星人は…
より清いものを好み、契りを交わしたいと望む傾向にある
………つまり……
性的な対象として見る可能性が大いにあるから気を付けて欲しい
フィン「死活問題じゃないか!!!;」真っ青
ケイト「まあ…大丈夫でしょう
フィン「なんでそんな楽観的なんだ!!?
ケイト「だってなんかやったらマーキングされるじゃない?
強姦なんてしようものなら、めっ!って厳重注意か、理由が死なせない為でもちょっとって難色示されるのは確実だもの
信頼しよ?
ね?
そんな轍踏む人はいないよ
でしょう?^^
隊長「ぐさっ)…
はい…」遠い目
一度犯した過ちか…
はたまた……
そんな懸想は、ケイトに手を引かれて置いてけぼりにされた
水は水蒸気となりて雲となり
雨雲へ成長し雷を呼び起こす
雷は雨を降らせ新たに水を生む
そして再び――大気は廻る
生々流転(せいせいるてん)――
すっかり及び腰になっていた……
ケイト「何かあったらフィンの命や記憶や自我を削らせちまうんだろ?
絶対削らせないからな!!
絶対ヤダからな!!!」
フィン「なんで自分の時には出来ないんですか?;」滝汗←しのぶ(魂の自我)
ケイト「お前が大事だからだ!!!
その為ならなんだって痛くないんだよ!!!!」
怒号のように叫びつつ、必死に距離を置いて背に壁を当てて身構えていた
自分を大事に出来ない←✕(ハズレ)
自分がどうなってでも大事な人が大事←◯(正解!)
ケイトに対しての評価であった――
そして…全ての自由と時間を与える立場が故か
攻撃や防御や回避が一切不可能となってしまった
それを拒むことは、抵抗することは
自由を阻害することと同じとなるので
それをすれば頭が痛くなり、出来なくさせられる
シンバスも使い物にならず、即座に機能を損なっていた
誰かがケイトを守る為に使う分には異常無しで使用出来た
原初の始祖神、初代が
何故一処から微動だに動けず
包囲網や護衛等の徹底が為されているか
その理由が判明した
どんなことをされようとも、無抵抗で受容する性質へなってしまったからだった
『深淵』という儀式を経て――
全ての実在化と自浄、全てに自由と時間を与える…それ以外、何も出来ないから
