第93章 深淵(しんえん)
8月31日
朝から買い物へ向かい、あちこち周り
昼に外食を楽しんだ
悪阻で苦しむかと思いきや…霊体と魂が全快した影響もあってか、牛カルビ丼肉増し増しとミニ冷麺セットを食べた
二人で分け合って、だが…
とても美味しく、堪能出来た
しかし…夜になった頃、事件が起きた
もう少し君を出していいんだ
大事にして欲しい
そう訴え掛けると、心底幸せそうな笑みを見せ…
それから……
急に、原初の始祖神の紋様が額に現れ
一気に拡がり、黒へと染まった
「ケイト…?」
ケイト?「誰だ…そいつは
私は二代目原初の始祖神の闇…
初代の闇は浄化されたが…こちらはそうさせる気は無い」すっ
左手を前へ出す
ケイト『やめろ!!』右手で抵抗し左手を押さえ込もうとする
ぴ
どごおおおおおおおお
ごごごごごごごごごご
一瞬の光の筋
それが空を走り、天を斬り、海へ着弾
その直後、天を、海を、空を、大地を、揺るがし、揺さぶり、割るほどの衝撃を及ぼした
震度8の揺れが近く全体を襲った
陸地は幸い7未満で済んだ
恐ろしいほどの熱波と暴風が挙って襲い狂う中…
二代目の闇「ふん…
操り人形が…
邪魔が入ったか
威力をここまで落とされるとは…よくやる
世界全体を消す気で行ったのだがな…
ここまでコケにして散々蝕んできたんだ
消滅するまで、長く、永遠に苦しめてやらないとな」黒にやり
地軸が歪み、星を死に追い遣る一撃
それを半径5kmの直地爆発にまで抑え込んだ
どちらも闇の力では無く、光の力で
フィン「………本気…なんだね」
二代目の闇「ああ…
やっと主導権を握れたんだ
お前達には礼を言わねばならないな
ずっと隙が無かった此奴の心に、やっと隙が出来た
心に隙が出来て
閉じ込めることが出来た…
さあ…どうしてやろうか…」
ずがっ!!
二代目の闇「が……ぁっ
おま…え…」
背後からの一撃
それに伴い、封じ込められていたケイトを取り出し、解放した
それを行ったのは…デマオンだった
アヴァンとの時、完全に神の力で封鎖され、力の破片から無理やりかたどったことでちっちゃかったのが…そんなことも無く、いつもの姿となって現れていた
解放されたケイトは……
ずっとお通夜のように沈んでいた
無意識の内とは言え、被害は極めて軽微に抑えられていた