第93章 深淵(しんえん)
涙の再会
生まれ変わり
隔世遺伝
お母さんとしての記憶も有している
化身化を身に付けているから――
お母さんとも通じているし
霊体も変わらずずっと側にいる
しゃっくりを上げ、嗚咽を上げ、ずっとずっとずっと泣いていた
宣言通り
宿灘「もう…(苦笑)
いい加減にしないと嫌いになるわよ!めっ!
ケイト「嫌いになっていいよおおお
いっしょうきらいでいいよおおお
いっしょがいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
わあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
本当に大事な人だったんだな
それを痛感せざるを得なかった
母との涙の再会…
今後も一緒にいられることの喜び
感謝と謝罪、守れなかった申し訳無さ
色んな感情ではち切れてすっかりいつもの様相は鳴りを潜め、暴走していた
ケイト「あいじでるうううううううううううううううううううううううううう」
宿灘「わたしもよ…」ぎゅうっ!
ケイト「原初の神々界でも一緒だよ?
いつでもどこでも一緒だよ?
約束したもん!!
やくぞくじだんだからああああああ
わあああああああああああああああああああああああ」
宿灘「いつまでなくねん」
ケイト「いっしょおなくううううううううううううううううう」
1時間半も費やして
ようやっと抱きついたまま力尽きたようにして眠りについた
死んでも離すまいとしがみついており
涙と鼻水でぐちゃぐちゃのあられもない姿を晒したまま
鼻水が垂れたりしてティッシュで取りながら、宥めながら…それでも……なお…その涙(想い、愛情)は止め処なく溢れる一方だった
そうか…
だから二番目を通したのか
新たな魂の膜を与えられた時点で
護衛も包囲網もすり抜けられるはずも無かった
それでも会えるとすれば…意図的に通すのみ
そして二番目と出会い、お母さんを助けてと頼まれ…ケイトが生まれるきっかけに……
色々と腑に落ちた、長年の謎が回収された瞬間だった
宿灘「分体、つけておくからね?
ずっと一緒よ
ケイト「やだ!もっと抱き締める!!」
宿灘「仕事がね
ケイト「やだ!!!
やだ…っ
いやだあああああ
また置いてかれるのやだあああ
もう置いてかれるのやだあああああ!!」ひしいっ!!涙
