第93章 深淵(しんえん)
創り出す前に食事にありつくことになった
折角の祝賀会を壊す訳にはいかない
帰る時に合わせて、間に合うように用意してくれていたのだから
と言い聞かせ、先に食事をし出した
その折、ケイトへ伝えた
僕等の胸の内を
フィン『ケイト…
リヴェリアが怒っている理由、わかるかい?』
ケイト『…‥…
未来を左右する選択を、勝手に決めたから?』
フィン『ンー…
それだと少し語弊があるかな
具体的に、端的に言うとね?
一人で決めたことを怒っているんだ
そりゃあ…僕達の意見も聞ける状況下に無かったのもわかっている
だが…それでも、その場に居られなかったものとして、その想いを伝えない訳にはどうしても行かないんだ』
ケイト『どうして?』
フィン『…‥…
君が大事だから
もし僕等が居なければ、もう自分の身すらも守れない状況となる
それは…君自身が、いつ危険に晒されても、守る術を亡くすことを意味する
生きている間、ずっとね…
だから怒っているんだろう
アイズも代わりたくないぐらいにはね?(くす)
だから…
リヴェリアの気持ちを、少しでもいい
わかってくれとは言わない
けれど…汲んでやってはくれないかな?
どうだろうか』
ケイト『……うん…痛いほど、わかる
でも……
でも…
もう…亡くすのは、喪うのは、見たくないんだ
自分がどう変わっていっているのかもわからない
そんなの…もう、嫌なんだよ
人がそうなっているのも
大事な人がそうなっている中で、笑われるのも
全部嫌なんだ…‥
ごめん…一人で、勝手に決めて』
フィン『僕も同じ選択をしたと思うよ?
リヴェリアもわかっているはずだ
だが…言わずにはいられないんだ
君が大事だから
大事にして欲しいから
自分で自分を守れなくなることの危険性を一番わかっているのは…きっと、リヴェリアだから
どうしても…ね?』
ケイト『こっくり)……
ごめん、なさい』
皆に向けて頭を下げる
項垂れ、俯いたまま…しょげた顔をして
フィン『もういいんだ←頭を撫でる
過ぎたことだし、反省会は後にしよう
十分絞られただろうしね?
ケイト『ハイそこは本当にハイ』遠い目←心なしか棒読み
リヴェリア『目が死んでいるぞ』訝し気
ケイトとリヴェリア以外『そうさせた人が言うのか)…』じいいいいいいいい←じと目