第93章 深淵(しんえん)
『…『守る力』は使えるんじゃなかったの?:』絶句たらーり←冷や汗が流れ落ちる
ケイト『いだあああいいいいいいいいいいいいいいいいいい;』頭痛に悶え苦しむ←痛みのあまり汗が額に滲む
頭を抱えてゴロゴロと転げ回るというシュールな状況の中
僕等は挙ってそれを見守ることしか出来ず、対価の重さを改めて重く受け止めていた;
文字通り戦えなくなっていた…;
フィン『まあ対価としては申し分無いかな
これ以上喪われるのも嫌だった訳だし
命と自我と記憶だけでは無く、自由と時間も』
リヴェリア『だがこれでは身を守れんぞ』
ガレス『懸念事項が文字通り現実になったという所かのお
全く、悩ましい限りじゃわい』
フィン『何故こうも騒がしくして来るかなあ』遠い目
腕組みし、天を見上げる中
したくてしてるんじゃないやい!!というケイトの叫びが耳をつんざいた
それも間髪入れずに;
なら自重して欲しいものだ
とばかりに
挙って目を向けると、ぴたりと動きを止めて「済みませんでした」と頭を下げてこられた
フィン『まあ過ぎてしまったことは仕方無い
とは言え、打つ手が無いというのもね…困り物だ』
ケイト『でもどうにも出来んよこればっかりは;
でもこれでお母さんの負担が皆無になったんだから良かった^^』
『自分の身を軽んじているのか…?』じと目
ケイト『違うよ違うよ!!;←大きく大きく一生懸命頭を振る
だって!
お母さんずっと命と自我と記憶を、自由と時間を1兆5000億年も頑張って削り出し続けてきたじゃん!
そのたんびに再生しながらさ!!
かなり辛いし生き地獄なんだよ!味わった側からしたら!!
リヴェリア『だからと言ってお前が死んでいいという理由にはならないし、危険になっていいという理由にもならない
ケイト『うっ;』ぐさっ
リヴェリア『そこまでは考えられなかったのか?』
ケイト『考えたけれど……
お前等なら、皆も居るし、大丈夫かなと
踏み切っちゃって
フィン『安易に考えるな
二番目の時もそうだが懲りてないね?
ケイト『うぐっ;』
リヴェリア『助けるなとは言わない
だが自分の身を守る術を奪われることが対価となった先も鑑みろ
ケイト『でもこれ以上喪う所見たくなくってさあ;
私が喪われて行くの見たい?』
『………見たくない』
リヴェリア『論点を逸らすな』嘆息じと目
