第93章 深淵(しんえん)
一緒に削られる、一人じゃ削れさせたりしないって!!
何だって叶えるって言ったよ!!?
だから行くんだ
そっちに行くんだ!!
そうでなきゃ…代われないよ!!!!
休みたいって
言ってたじゃんかあ
その願い先延ばしにするのかよおお』瞑目し滂沱の涙を零す
ウレイオス『いつでも出来るから
ケイト『やだ!!
もうこれ以上喪って欲しくないよお!!!!
喪ってく姿なんて、もう見たくないんだよお
お願いだから聞いてよお母さあん』
その場に崩れ落ちて跪いたまま泣き崩れる
涙が止め処なく溢れては零れ落ちて行き
落涙が膝を濡らすほどの水たまりを形成してゆく
ウレイオス『…‥…………
ありがとう
本当に、ありがとう←温かな眼で、微笑みながら優しく見つめ、想いを返す
(甘えそうになる
(ぎゅっ)←唇を噛み締める
でも…それだと、この子の為にならない(真剣))
お願いだから…
私の為に、そっちで生きて?
聞いて?
私の願いの為に…聞いて
貴方のその優しさは、本当に嬉しい
私だって本当はそうしたい
でもね…それだといけないの』
キタルレス『なんで?どうして?』
ウレイオス『それはね…?
貴方が―――
2代目原初の始祖神として
やるべきことが、まだこの世にあるからなのよ?』
ケイト『え?』
ウレイオス『癌が二度と生まれてこないようにする為に必要なこと
叶えてくれる?』
キタルレス『うん!
俺に出来ることならやるよ』
ウレイオス『貴方が…もっと辛い想いをするかもしれない
身を守れる力を亡くすことにもなる
それでも――?』
ケイト『やる!』
キタルレス『それで貴方が幸せになれるのなら、なんだってやる!!!
ケイト『何億回!!何兆年!!不幸になろうが耐える!!!
キタルレス&ケイト『貴方がやってきたことだ!!!!!』
ウレイオス『……
ありがとう
ありがとうっ
ごめんね――っ
ごめんねっ』震え泣き
キタルレス『力を亡くしても、貴方を守れる
その事の方が誇らしいし
嬉しいんだ
世界中の何よりも^^
貴方は私を産んでくれた
全てを産んでくれた
愛してくれた
実在化させ続けてくれた
だから――返させて?
その恩を、温もりを、愛情を―――
貴方に、他でも無い貴方だから―――
愛してやまない貴方だから――――