第93章 深淵(しんえん)
報われるべき人が報われる社会
それを目指し、これからの未来に置いて根差してゆこう
そう結論付けられた――
早い話…もう二度と、こんな苦労は味合わさせたりなんかはさせない
その為のものだった…
だから……その為の協定を、改めて宇宙全体も交えて取るようになった
その名も『世界連合』――
『世界同盟』が新たな形と成って昇華したと言われ出した←3499ページ参照
迷宮が限界であることが要因で生まれたそれに対し
この世が限界であること、それを盟主であるケイト(2代目創世神)が助けた
後に、次の日、その再発防止を目的として生まれたものとなる
原初の始祖神は創世神と呼ばれる
だが…
〖流宴(るえん)〗
〖三つの力(流生、流尾、流廻、5541ページ参照)〗が一つへと溶け合い、完全に一つとなりて光そのものへと転じ、創世神の神域を満たした
この世は癌の世界だ
それを再生させた
それが――創世神として、一番最初にしたこと
だから――創世神の神域が、その中央に鎮座し続けていた
癌の世界に蔓延る闇を光へ浄化して、実在化させ続ける元へと変換するように―――
そう、願って――――
皆の学びの場となり、成長の助けとなり、その『守り』となること
それを現実にする為に創られ、今もなお在り続けた
原初の神々の神域は、後になってから創られた
今後生まれてくる子、それらの無事を祈って――
己が半身、片割れ――それが生まれてくるシステムもまた、同様に―――
共に産まれ、共に育ち、共に補い合い、共に成長を歩めていけるよう、大事にし合う根幹を併せ持ったまま――互いに生き、共生していけるように―――
ただ、信じて――――
(遠き果て無き世界(原初の神々界)にて、この世を見つめ続ける、今なお全ての自由と時間を対価に、己の命と自我と記憶を対価に、全てを守り、己を除く全てを実在化し続ける原初の始祖神初代、またの名を創世神…
彼女が静かに、横たえられたまま、微動だにも出来ない最中で、優し気な、温かな眼で、見守り続ける姿が映し出される)
待っていた―――
ピシッピシピシシシシシシッッッッッ
ケイト『お母さん!!』手を差し伸ばす
助け(救け)を、待っていた―――
ウレイオス『ああ…(じわっ)
ありがとう』
ずっと、待ってた―――