第92章 新たな神武(しんぶ)
フィン『やれやれ…
この調子じゃ神の因子をばら撒いていることまで伝え切れないかな…;』
そう内心で呟く僕の声も聞こえぬまま
必死に僕にしがみ付いて離すまいと足を腰に巻いてくるケイトに
その頭の上にポンポンと手を優しく置くように、宥めるように叩いた
落ち着きを取り戻すのは…起きてから後だった
不思議なことに――
起きる前までも、起きてからも、必死に僕にずっとしがみ付いて離すまいとし続けていた
可愛い…(ぽつり)
そう口に出さずにはいられない光景だった
とだけ言っておく
その光景に、喜びも一層、一入だった
まるでお気に入りのものから離れまいとする、必死にしがみ付く、犬や猫のようだったと言っておく
ティオナ『犬!!』
アイズ『猫!!』
何故か言い争いが勃発しているが放置しておこう
僕も猫だと思うけれども言わないでおこう
ティオナ『犬!!!』
Question
〜化身化と原初の精霊ってどっちが強いの?〜
Answer
〜化身化です〜
単独で原初の精霊を浄化し尽くす力の奔流たる源泉となります
その為、それまでとは比べ物にならないほどの無類の力を発揮します
※ただし、癌一同が全て消えていないと発現(目醒め)は出来ません
ただ、たったの1つの世界でも目醒めれば、他の世界であっても使えますし、癌一同が居ても目醒めることが可能となります
1000年前――とある日
アルバート「いつか…
互いの子孫が、仲良く出来るといいな」
ラーニェ(前世)「…無理だろ
本気で言っているのか?」訝し気&睨視
アルバート「ああ(微笑し頷く)
辛い思いは一緒だ
分かり合えたら…嬉しい
分かり合えなくとも
お互い辛い思いをさせないように出来たら…
そう想う(願う)」
瞑目し
祈るように目を伏せる
ソード・オラトリアとして、英雄譚として描かれた、アルバート時代のお話
それが…ケイトの分体の前世だと知った後、その背景にあった想いまで全て記された新たな物語が生み出されることとなった
その書物の名は――『アルバート戦記』
1000年前…
異端児達とも歩みを共にした、懐かしいと言わしめた根幹となるものだ
己(原初の始祖神)の命と自我と記憶…誰かが悪いことをする度、初代や2代目が削れて行っていることを、どうか忘れないで欲しい――