第92章 新たな神武（しんぶ）

「あんな存在（隠れ癌）」の為だけに――喪うべきものでは無いと、大事な存在だと…そうしてでも守りたい、大事な存在だと言う初代に……初代はそれ以上だという想いが、喪いたくない想いも併さって…



その涙に…初代は微笑み、涙を流し、抱き止めた



ルシファー『無理です…』
その涙に、追従するように一人の堕天使が現われた

堕天した理由が…露わになった


ルシファー『貴方は‥おっしゃいました
『人間を敬い、愛するように』と…

何故――
なぜ！

どうして！！

『貴方の命を、自我を、記憶』を、粗末にするものを、敬い、愛さなければならないのですか！！？
どれだけ悪いことをしたとしても、どれほど酷い行為をしたとしても、笑って、在って当然だと…
『貴方の犠牲』のお蔭で、無事でいるだけなのに！！！存在し続けることが出来ているだけなのに！！！

どうして――
何故！！！！！！！！
（だあんっ！！！！！！！！！！！）

どうしてだ！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！』

地面を強く両の拳で叩き付け、慟哭し、咽び泣いていた


ケイト『今は…私も、人間だ』
ルシファー『しかし…創世神様だ！！！！！』

ケイト『それでも…
主犯格の癌が居たから、私はここに居る

神としてではなく…人間として……


私は…人間として、この世に生まれて、学んで…神に至った

神に至った折に、原初の始祖神の次世代だと露わになった
それだけに過ぎない


人間が悪じゃないとは言わない

それでも…
私は………‥

私は……この世が在ったお蔭で、ここに居る


初代も…私も……

その為に……
全ての未来の為に、ここに居る』

ルシファー『それ…は…？」顔を上げる

ケイト『次世代を守る為に、全てを消させない為に、今も削り続けている
捧げ続けている

たとえ――何も返されなくとも…‥


お前も…同じだ

たとえ罪の大小はあれ、それにより削る分に差異はあれ…
お前は…私を想い、憂い、涙してくれた

その想いは…決して罪ではないはずだ


だから……消したくなかった
その想いは…私も同じだから←苦しそうに笑う

だから…受け入れてくれとは、言えない←目に涙を浮かべる



ただ…私の為に、初代の為に…泣いてくれて、怒ってくれて…唾棄してくれて……ありがとう^^←涙を流す
愛してる』抱き締める