第89章 堆魂の儀(ついこんのぎ)
ラウル「痛いっすよアキ!!;」
アキ「馬鹿!」
ぽかぽか
今度は打って変わって優しく叩く中…
それを丸ごと包み込むように、ラウルは抱き締めた
ラウル「アキ…ありがとうっす
俺の手、離さないでくれて…
お蔭で…俺、ちゃんと…やれること、出来たっす(ぽろっ)
皆を…守れたのは…アキのお陰っすよ」ぼろぼろ
アキ「……馬鹿ね…
私は…何も言っていないじゃない(そっ)←背中に手を乗せる
ラウル…あなたが頑張ったからよ」微笑
ラウル「アキいいいい
団長も、皆もっ;無事で本当によかったすうううう;
うわああああああああああああああ;;」←腰に抱き着いたまま咽び泣く、双眸から滂沱の涙を零す
アキ「もお…しまらないんだから(苦笑溜息)
……
ありがとう…ラウル(微笑)
皆を守ってくれて」涙目なでなで
子供のように咽び泣くラウル…その頭を、アキは優しく撫でた――
聖母のような景色に、アキの二つ名もまた【貴猫(アルシャー)】から【聖猫(セイント・ルージュ)】と名を変えられていた―――真っ赤になりながらも(照れ隠し?)聖なる心は揺らがないことから――――
フィン「皆を頼んだよ…ラウル」
あの時の言葉の一押しもあって
絞り出せた勇気――
それが見せた『奇跡』は、『景色』は…『今』という、温かな、変わらぬ日常であった―――
それから――2人が結婚式を挙げるのは冬、12月24日という聖夜にクリスマスウェディングを迎えていた
ロキ・ファミリアから囃し立てられるのは言われるまでも無く、他からも多数只管茶化され倒されまくっていた―――
2800年前にケイトを生まれさせて
2600年前にブッダを生まれさせて
2000年前にキリストを生まれさせて人類の罪を無にさせる程に浄化させた
主犯格の癌の居たことによる痕跡、闇が、少しでも癒え、それに大きく貢献した人々の名だ――
原初の始祖神の分体の亡骸の中に、それも入れ違いになるように生まれたのならば、もしや――と一縷の望みを乗せて、この世に転生させられてきた
まだ当時は…2代目原初の始祖神とは気付かれることは無く、順当に育ち…
そして……ケイトが神として完成した直後、創世神だと認定を受け『全ての魂の膜である創世神の膜』から『新たに創世神の膜が与えられたこと』によって判明され明らかになった