第89章 堆魂の儀(ついこんのぎ)
5300ページまで記した物語――
この一章は、『一気呵成(いっきかせい)』と呼ばれている
その名の通り…たったの3か月半の間に瞬く間に物事が進んでいき、解決に導いていることから人類から付けられた名だ
その中でも――最も大きな壁として末永く語られたのがベル…「主犯格の癌」だ
「それ」は―――「人類の汚点」と呼ばれることとなる
それが生き、生まれた場所は悉く滅び、草一つ生えない、国も育たず残らない、滅びの元凶たる「死の場所」となっていた
それを証明するかのように…今世で彼が生まれた村は、彼が旅に出た後にモンスターに蹂躙されて滅んでいた
今世では『ケイト(2代目原初の始祖神)』がこの世に居る為、転生することを選んだ為、非常に助かったそうだ
実在化はそれほど苦にはならなかったらしい
齎された厄災も、前世や前々世と比べれば非常に軽微なものとなったとのことだ――
10万年前に実在化を強めたのは『原初の精霊』
最も穢れていないムー大陸に原初の神々含む全ての神々から力を結集して生み出された『原初の精霊』を送り込み、転生させたことでこれで一安心と胸を撫で下ろしていた
しかし…逆に、主犯格の癌の手によって穢されてしまい、終末兵器となり、5000年毎に人類だけなく星中全てに滅びを齎す結果に終わってしまった
その失敗を生かし
3000年前では実在化を強めたのは『原初の始祖神の分身』でもある精霊、『精霊王グラン』
精霊王とは精霊とは生まれ持ってから異なる種族であり、アルルェーチェという冠名を生まれた瞬間から賜り、実在化の力の強化を手にしている
5238年前にこの世に生まれさせ分体も降りさせて下地を整え、精霊達は全てバラバラに生まれさせ分散させることでそれぞれが受ける穢れや負担を最小限にしたらしい←1041ページ参照
そして――原初の始祖神同様に『精霊界から動かない』ことにより実在化の力を極限まで強めることに成功し、滅びのループを齎す等といった事態は引き起こされずに済んだ
しかし…2910年前に死に地獄に落ちたとは言えあまりにもの脅威に、2800年前に分体は耐え切れず……命を落とした←2036ページ参照
実際には寿命でも無く、無理をし過ぎた故の死だった←618ページ参照
それと入れ違いに生まれ落ちたのが…ケイト(次期原初の始祖神)だった――
