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Unlimited【ダンまち】

第88章 神聖たる導き





自我と記憶を引き換えにした

根っこは同じ
変わらない
どれだけ記憶が消えようとも
どれだけ自我が削られて無となろうとも

変わらず削られ続けてゆく

寿命ごと


それが理だから……



そうして――今という世界がある



成り立たせているのは……

肝心の部分は…
金とか物とか替えられるものではなく


命そのものであり、自我そのものであり、記憶そのものである

教えられても定着せず、失い手放した(させられた)ものは、二度と元には戻らない
どんなことをしたとしても…
人が、命を捨てるから始祖神の記憶や自我を返してと望んで、自ら消えたとしても



戻ることは、再び手にすることは、同じものを手にすることは、決して無い



だからこそ――これだけの規模のものを一手に引き受け、実在化の源足り得るのだ



だから……

ずっと起こり続けているものを、今更どうしようというのだという虚無感でいっぱいになっているようだった


今更なんだよ、とでも言うかのように……



力無く俯いたまま、闇に向けて呟いた



始祖神の闇『ひがむな』

ケイト『別にひがんでなんか
歪めてなんかいないし
始祖神の闇『卑屈になるな
必要以上に自分を下げていじけるなと言っている』

ケイト『瞑目し俯く)
それでも………

それでも…やる←真剣な顔で顔を上げて見つめ返す


俺しかいないなら…二度と戻らなくても…やる



やらなきゃ…みんなが、俺を除いた全てが消えるから……――決めたんだ………やると』真剣



寿命=自家発電出来る分量、送れる分量(魂としての寿命)
耐用年数=魂が何年生きられるか、どれだけ自我を保てるかの年数(中身(自我)としての寿命)

寿命は無限
耐用年数は無限

だが…摩耗が続く内、一兆五千億年しか持たなくなった


寿命=魂を犠牲にして命を作り出し分け与え続けられる分量
耐用年数=どれだけ分配し(分け与え)続けていられるかの年数


摩耗年数:一兆五千億年

摩耗年数=摩耗をどれだけ続けられるかの年数



寿命
魂という、体の寿命

耐用年数
心(中身)という、精神的な寿命

摩耗年数
磨耗を受けて、どれだけ継続出来るかの寿命


ろうそくに例えると
長さ
太さ
芯の太さ

芯がなくなれば消える
という感覚らしい



すなわちその時が…魂の死――


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