第15章 人造迷宮
ヴァレッタ「空気を読むっつぅのはだな!!
余計な口挟んでくんじゃねえってことだよ!!」
ケイト「じゃあツッコミ所はいつツッコめばいいの?
時間が流れれば流れるほど味が落ちるってロキも言ってたよ?
ツッコむのは早い内がいいんだって」
ヴァレッタ「何教え込んでやがんだてめえのとこはああああ!!;」
フィン「済まない。
後でよく言い聞かせておくから続けてくれ^^;」
ケイト「緊迫感という空気というものは台無しにする為にあるんだから!!」
ヴァレッタ「あってたまるかそんな理屈うううう!!!
てめえほんとはわかってんだろ!!!?」
ケイト「わかってない。
ロキがそう言ってたからそうあろうとしてるだけなんかじゃないよ」
ヴァレッタ「絶対そうだろうがあああああ!!!;」
フィン「とりあえず黙っててもらえないかな?;」
ケイト「えー;
じゃあツッコみたい時はどうすればいいの?;」
フィン「後で好きなだけツッコんでくれ。今はその時じゃない」
ケイト「ふむふむ。わかった」
フィン「はー…(やっと話が進められる」遠い目
それからヴァレッタによって語られたのは27階層の悪夢。
それは闇派閥、イヴァルスと呼ばれる『悪』の眷属が集うファミリアによって引き起こされた最悪な出来事。
わざと漏洩リークされた情報で、多くのパーティーが27階層の一角におびき寄せられた。
そこに待っていたのは殺戮の嵐。
闇派閥による捨て身の怪物贈呈(パス・パレード)。
階層中のモンスターだけでなく、階層主まで巻き込んだものだ。
人と人が、人と怪物が命を奪い合う。それは、階層中に広がっていった。
残ったのは血の海。数え切れない死体。散乱する人の破片。それを捕食するモンスター。
まさに地獄絵図と化していた。
後から到着した冒険者は、二度と忘れることのできない光景を目にしてしまった。
多くの犠牲を出したこの事件は、未だに語り継がれている。
しかし、当時のフィンはそれが闇派閥の延命処置であることを看破。
間に合わないと判断し27階層を切り捨て、候補に挙がっていた闇派閥の本拠地を全て襲撃した。
敵陣の守りが薄くなっていることを見抜いて。
フレイヤ・ファミリア、ガネーシャ・ファミリアを率いて闇派閥の主神を攻め入って、『邪神』と呼ばれていた闇派閥の神々を数多く送還させることに成功した。