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Unlimited【ダンまち】

第85章 エラー





それから5年後、僕宛てに文が来た
結婚の報告と、子を身ごもった報告を一度に貰った

子供が大きくなったら、旅行に必ずオラリオに連れていくと約束を勝手に取り付けられた
いや…半ば強引に押しつけられた、といった方が正しいかな^^;

忙しい毎日の中で、闇派閥の件も落ち着いた頃、まだまだ爪痕が残る中での朗報だった


時期的に今から7年前…

まだまだ闇派閥との『大抗争』の爪痕が残る中での出来事だった


PS.その時も酒を交わそうな!!
と、追記付きで記されていた

PS.ってなんだ?神様から教わったんだが今一わからん
村一の賢者と名高かったお前ならわかるだろ?会った時にでも教えてくれ


その約束は……最悪の形で破られた

人為的な手によって……癌の凶行によって――



そんなことは―――当時の僕には、知る由も無かった……



フィン「ははは…」

手紙を見て、苦笑するばかりだった…
家族の絵も添えて、大事にしまっておいた…

酒の時、肴にする為に……


フィン「花でも添えるかな^^」ふふっ

そんな笑いも、想いも…容易く踏みにじられることを、忘れてしまっていた

その時は…頭にもよぎらなかったんだ……


あんな…喧嘩を売るような真似を、フレイヤ(恩人)に罪を着せるような真似を、やって平気でいられる、善人ぶった悪人に、癌に…ぶち壊されるだなんて


違うんだ
返さないといけないのは……僕の方なんだ……

逆なんだよ…ケイト……


逆なんだ……(天を見上げる)


……(微笑)

……(口を開く)

ありがとう


代弁してくれて…僕達の怒りを、ぶつけてくれて……
憎まれ役を買ってでも…僕達の恨みを、君は果たしてくれた、一緒に背負ってくれた、寄り添ってくれた、慮って…大事にしてくれた

粗末にされるべきものではないと…遺憾の意を示して…共に泣いてくれた、哀しんでくれた、痛んでくれた……

それがどれほど………どれほど………心に沁みたか、わからない………

言葉に尽くせないほどに……たくさんのものを、あたたかみを、もらったよ


味を占めるばかりの、上辺だけ愛想だけ良い、中身のない癌に…僕らは、騙され、おかされかけていた……

救ってくれた…それだけじゃない……
たくさんの人を、消滅の際に道連れにされるはずだった運命を、打ち破り、助け出してくれた――


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