第85章 エラー
竜の巣は――『全てを打ち払い、大事なものを守らんとする心』を意味する
不用意に、不必要に傷付けることの無い、優しい風
近付くものは全て、雷で焼き切りつつ風で切り飛ばし続けて行く
そんな渦の中…近付けるもの等いる訳もなく……;
混乱と阿鼻叫喚の地獄へと陥っていた…;
「きゃあああああ」
「いやああああああ;」
あるものは脱兎し、あるものは度胸試しとばかりに飛び込んでいき、空へ舞い打ち倒されて行った…
勿論、関心も示さず距離を取れば問題なく普通に過ごせます…それに気付くのは、指摘された後のことでしたとさ……;
はあっ;(こめかみに手を当て嘆息)
こんな時でも…私の心は平静を保っていられている……
廃棄神の本質は火、心は木
ならば…
その心の名は、何というのでしょう…?
説明を受け、打って変わって距離を置いて撮影に勤しむ周囲の中…
私は天を見上げ、発現した『竜の巣』を羨ましく見つめる外ありませんでした……