第14章 遠征
アイズ「…フィン」
フィン「闇派閥の本拠地の入り口で間違いないだろう。
これだけ厳重なんだ。如何にも怪しい。
ここ以外の出入り口は知らないし、他にあるとしても地下水路…ダイダロス通りか。
いずれにせよ、このままでは相手の思う壺だ。
どうせ壊して乗り込めるのなら、相手が僕らの動きを把握していない今が最適。
できたのならといった賭けに近いが、やってみるに越したことはないだろう?」
『……』
その言葉に反論は上がらず
その間もケイトは使うと共に正拳突きを出す為、腰を落として左拳の構え出した。
フィルヴィス「ドラゴン・ソウル?
オラリオ中で話題に上がっている、あの龍の力か?
使った後の反動は」
ケイト「大丈夫。
今は常時発動でその状態に慣れて、自在に扱えるようになったから反動はない。
無詠唱での部分発動も、思った瞬間にできるようになったから。
ただ、ちょっとだけ難がある^^;
魔力が強くなり過ぎることで、力や速度等々の『制御』にね。
使う際に周りに衝撃がかかると思うから離れてて。10mぐらい」
フィルヴィス「あ、ああ。わかった」
ケイト「皆離れたー?」
ラウル「離れたっす!」
ケイト「OK!じゃあ皆への初お披露目だ!!」
かっ!!(魔法円展開)
体外に出された凄まじい魔力の奔流と共に、魔法円が展開される。
ケイト「【喰らえ、喰らえ、我が魔力よ。
一切合切を魔力と化し、全てを喰らい尽くせ。
我が魂のままに龍の姿をここに顕現せよ――ドラゴン・ソウル】!」
そう叫ばれた直後、集った魔力が体内からも解放された。
黒い髪が白色に染まり、焦げ茶色の眼が金色に輝き、瞳孔が縦長に変化する。
全身が光に包まれ、明暗と共に脈打つ。
そして…その純白の光と化した魔力が細長い龍を形取る。
ケイト「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
58階層の飛竜(ワイバーン)とも違う、金の眼と変わった彼女の咆哮は響き渡った。
びりびりと空気が震える中、その魔力の全てが左拳へと集約されていく。