第84章 竜の巣
ブランシェ「試されているのよね…癌に倣えをする愚か者か否かを。
でもけなしたってダメ。
響くかどうかなんて詮無いこと…
この世界では影響し得ないのよ」
ケイト「わかってる…
………(くしゃり)←苦しそうに笑う
それでも……
言わずにはいられないんだ…
俺は…「「癌」のように、死んだ後も蔑ろにされ続けているあいつらが「報われないままでいるべきだ」って思うこと」なんて、出来ないよ…
そんなこと、思えないから…っ(涙)
「癌」のように、自分だけを見て、正当化して、押し付けて、善だと認識する為に歪めなければならないほどのひずみを生んで、人も自らをも「歪み」として、歪みを増援することしか考えられない。
そんな…そんな人に……なりたくないだけだ」
リヴェリア「なるほど…非を認めないとは、文字通りということか」
アーニャ「ニャー…とんでもない悪ったれニャ」
フィン「それだけで済めばまだいいんだけどね」瞑目天を仰ぎ嘆息
こくこく
ケイト「善だと言うだけで、発するだけで、認識を押し付けるだけで、「歪み」と化すからね」
フィン「悪循環だよ」
アスフィ「それこそが「癌」の真髄と言いますか…;」
アーニャ「キリないニャ;」
リュー「それを生み出すのが「癌」なんです;」
ティオナ「つまり、『人を見る心』、『非を認める心』を大事にすることが、『成長』に置いて一番重要な要(かなめ)ってことだよね?」
『そう』頷く
ケイト「それが『人を大事にすること』にも繋がる」
アスフィ「だから何度も言っていたのですね…
自分にとってで歪めるな、と。
背負えと」
フィン「そうでないと成長の糧にならないからね」
ケイト「うんうん」腕組み二度頷く
アスフィ「取るに足らない死のように扱われる。
死の間際まで、懸命に、信じ、愛し、守ろうとし、尽くし続けた命が…
守って欲しいと言わず、それで守ろうとして消えて行った生が…
見向きもする価値も無いとでも言うかのように、背負われもせず、知られもせず、散って行く…
「守られた身でありながら知ろうとも見ようともせず高笑いし繰り返し続けるだけの癌」を善だと思ったばかりに……
それが…「癌が善だという認識の押し付け」によって起こる「歪み」なのですね……
そういった「癌の蔑ろにする行為」を善だと言うことは、「歪める行為」…癌化にしか至れないと」
