第84章 竜の巣
女キャスター『なるほど…
(ごそ)←机の上を探り
(とんっ)←一つのプラカードを机の上に立てて置く
これがまとめです。
下記が、癌の起こす行動の特徴、概要となります。
「癌」
・人を見ない、他者への配慮もモラルも無いし抱けない。
・行動を起こす際、必ず先のことを考えないし、人のことも見ない。
・もし起こった後になったとしても、人も事態も見ないし背負わない。繰り返す。
以上によって、「人を見ない(我が儘の限度を超えた)無理強い」そのものと化してしまう。
以上です』
男老人解説『あー…
「癌」はねえ、露骨にもいい人として接してくるもんだから。
だから誰も気付けないんだよねえ…』
男『恐ろしいですね…;』
男老人解説『頷く)ねえ。
いい人だと自分自身でも思っている。そう在りたいと願っているから。
そこを汲める人から引っ掛かって行ってしまう。
その認識に縛られて、本人の行動を見れなくなってしまう。
人を見ない行動、人を人として捉えてさえもいない点、見向きもしないという恩への仇返し、それら全てをもね』
女キャスター『そこが歪みに通じてくるという訳ですね。
人への伝搬といった意味合いでの』
男老人解説『そういう訳です』深く頷く
男『つまり…癌に対する善人という認識から危険信号という訳ですね?』
男老人解説『本人が行動を改めているのならいいんですが、改める気も無く非常時ならいいだろうと何度も何度も繰り返し続けている時点で、もう既にそうは思ってはならない域に達しているのかと』
女キャスター『なるほど…
そもそもが癌本人自身、見る気から無いので改めようがないという訳ですね』
男老人解説『そういうことです』
男『そういった過ちを見ない点、そこによって学びの妨げとなってしまうと』
男老人解説『その流れを加速させ、促進させてしまう。
ので、本来なら『反省したり、背負ったりすることで繰り返さないようにする』、といった正常な流れに行けなくされてしまうんですね。
それを周囲にまで取らせてしまうから…癌に対して、いい人と誤った認識で接することで。
もし癌が頑張って、見るという行動を取ったとしても、どうしても主観を加えてしまうのでフィルターが入ってしまってまともな判断が出来ないんです。
周囲はイエスマンだけで構成されているので、尚更暴走は加速するばかりです』
