第84章 竜の巣
竜の谷に元々住んでいた水竜が復活し…
それ以外の竜種の絶滅根絶、水竜達の魔族登録の申請も無事完了した
大昔…存在した魔族……それが復活した、と騒がしさを増して行った
竜の谷の水中迷宮は…『竜の巣』と呼ばれることになった
7月1日――下界の荒廃を進めていた竜のみ全て根絶され、二度と脅かされることは無くなった
後に記念日とされるその日は…
奇しくも……
ケイトが次期原初の始祖神であり、跡を継がねば(創世神の膜に全ての自由を奪われ死ぬ最期の瞬間まで捕らわれ続けなければ)ならないこと…原初の神々界の白の国や黒の国、あの世や天界、雲の上の世界から霊界や地獄のことも全て明らかになり、明かされた日でもあった……
まあ知った所で、信じない人もいるだろうが…
その日を境に、歴史は動いた――――とだけ言っておこう
別の意味合いでも動きつつあるが……;
隣争奪戦は実に静かに開幕された…;
寝ているケイトの横で、そっと寝て過ごす中…
添い寝を狙って横になろうとするも、そっと手ですくい上げるように抱き上げ、自らの隣に置こうとし
それを静かに奪って、手早く抱き締めることで守りつつ寝ようとする
そんな馬鹿げた争いが…静かに……本当に静か過ぎるぐらい静かに巻き起こっていた;
もう寝ればいいんじゃないか…?;
結局…晩御飯は皆によるあーん波状攻撃の嵐の中、ケイトが必死に食べ進めて行って無事完食した
皆にされるがままにされ続けて…;
まさか無くなるまで皆で取り合いながら口元に押し進めていくとは…;
そしてケイトも食べ物を無駄にさせまいとあれだけ必死に食らいついてしまうとは…‥;
末恐ろしい食欲…いや、勿体ない精神だ;(戦慄)
というのは置いておいて…どう収拾を付けたものか考えあぐねた
大いに考えあぐねた
だが…
そんな簡単に問題が丸く収まる訳もない
ましてや僕は正夫(正妻の夫版)、皆とは立場も違うし序列も一番上
と言っても形式上だけだが;
一番接する時間が多いのだから遠慮しろ、とばかりに睨みを利かされることになる
中々収まりがつかない争いに…皆で添い寝したらどうかと一つ提案した
僕等が小さくなればいい、と
それに皆は頷き、辛うじて収まった
穏やかな時間が過ぎていく中…アルとディも三剣士も静かに混ざっていた;