第83章 剪定
アーニャ「つまり癌ってなんニャ…;」ぐるぐる
頭ごと目をぐるぐると回しているアーニャに、ケイト…いや、始祖神は共に言った
ケイト『「癌」とは、とどのつまり…「闇」そのもの、「無」だよ…
全てを無に帰し、無駄にする、見向きもしないから
背負うことから出来ない
普通…命懸けで助けに駆け付けてくれた人が居て、助けてもらったとして…その人の安否は気になるだろ?』
『うんうん』
そりゃ当然
と言わんばかりに居合わせた一同は皆何度も頷いた
原初の始祖神…当代の始祖神が、次期始祖神のケイトと一緒になって言葉を続けた
ケイト『だけど…「癌」は、それを気にしない
気にも留めない
見向きもしないし、心配もしない…気にもならない…関心さえも示さない
だが…追及されればそんなつもりは無いと言い張るばかり
実際には…その中身は、そんなことは無いのに
自分のつもりの押し付けばかりで、人がどう感じているかは度外視している
それが…人の為だとして、許されるべきであってはならない
それ程に…酷なことをしている、人に虐げている…それも、『恩人』に対して…
『大事に想って、懸命に、身を、心を、時を、全てを賭して、尽くしてくれている、守ろうと動いて、信じてくれている、好きで守りたいと願い、幸せで居て欲しいと想い続けてくれている…そんな人達』を、だ
だから――何よりも罪深い(真剣&遠くを睨視)
それが…怨みを呼び、歪みを呼び、膨れ上がり、自己正当化によって凝り固まった魂の膜が、破裂する
その中身は…それに触れたものすらも、破裂させる……
何も悪いことをしていない人から…自分を好いて、大事に想ってくれている人達まで、その全てを……世界ごと…空間ごと…爆発物にして破裂させ、その皺寄せも後始末も全て、人に着せるんだ……
だから……度し難い』
ティオナ「どしがたい?」首傾げ
ティオネ「救いようがない、どうしようもない、という意味よ」溜息
フィン「道理を説き聞かせてもわからせようがない、とも言うね…
それ程のクズか、善人という上辺の中身は」
ケイト『頷)「癌」の在り方は「醜悪」
自分以外、見向きはしない
たとえ何があろうと、変われはしない
自分しか見えない人は、学ばない…全てを無駄にするだけ
「癌」の魂の本質は「堕落」、心は「自分しか見えない」』