第83章 剪定
平気で一線を超えるの、超えてはならない一線を…人を見ないから
平気で人も殺すし、背負わないし、繰り返すし、その上で自分だけ笑うの
ずっとずっと…人をその裏で苦しませ、泣かせた顔で、笑い掛け、いい人のように接してくるの…
そんな人間の為に…泣いちゃダメよ
「全ての仇(あだ)」…その在り方を言うのだから
「『恩』を仇で返すだけに留まらず、繰り返して無駄にさせ、徒労を増やし続ける」
「自分だけ何も引っ被らずに、人にだけに被らせて回っておいて、何も減らそうとは決してしない」
その在り方を言うの
――「世界殺し」と
決して思い遣りで返しはしない…
あったとしても、表面上だけよ(真剣)
恩を受け取りはしない、見向きもしない、だから気付かない
どれほどの思い遣りを足蹴にしているかを、どぶに捨てているのかを
『人の死も、それが伴ったとしても…あなたを信じると、愛すると、大事にしたいと、その為に動くと、そう決めて、動く人達の動きを、心を、思い遣りを』、「無いものとするの」
だから…どんな罪よりも罪深いの
恩を恩と見ず、感謝もせず、少しでも負担を減らそうともせず、徒に繰り返し、暴走し、増やし続けることに枚挙にいとまがない、抵抗も一切持たない
その心を、本質を携えたものが「癌」なの
完成した証なの…
あなたも……持っているでしょう?」
ケイト「!
……え?」
始祖神「『剪定』を…『私と同じ心』を、『本質の中枢』を
『その心』は…「悪しき本質」を見抜く
だから…嫌いになる、吐き気を催す
……「癌」だけを
そういうものなの」
ケイト「………‥(瞠目)
そう…か」俯
始祖神「だから……
「癌」の在り方は…
長くなってしまったけれど、この一言で纏めておいて」すっ←キス寸前レベルに顔を近付ける
ケイト「?」
その言葉は…
始祖神「「癌」の在り方は…「全てを無駄にする存在」
その心を言う、とね」
世界を揺るがした
始祖神「『向けられた愛情も、思い遣りも、それに伴う死も、人が抱く痛みも、それでも信じたいと、大事にしたいと願う心』も、全て…「無駄にし、繰り返し続けるだけの悪魔」と化す
それを人に強いるのも、人にさせるように強要するのも、決してしてはいけないの
それが…超えてはならない一線……人が、人である為に…超えてはならないもの」