第83章 剪定
始祖神「ケイト…あなたは、この世界の主軸なのよ
実在化の基点、全ての存在の実在化の基となる、そういう存在なのよ
だから――消えないで
自分で…自分を、傷付けないで
癌のようになってしまわないでね
「自己満足」を、「正当化」し、「繰り返し続ける」…そんな、「癌」には」
ケイト「……‥(瞑目)
ならないよ…(すっ)←俯いていた顔を上げながら開眼
絶対に」真剣&空を睨視
始祖神「ええ…
絶対にならないからこそ、択ばれたのよ
自信を持って、堂々としていなさい
どうか覚えておいて――あなたは―――――無くてはならない存在だということを」
ケイト「それは誰もが同じだよ」
始祖神「!!」瞠目
ケイト「同じだよ…
大事だから
誰ひとり、ひとつとして…欠かせないものだよ…だから……守るんだ
出来る…ことなら……守りたかった
癌も、癌によって消える世界も…全部…
守りたかったよ」ぽとっ
落涙し、項垂れる…
そんなケイトの頭を、始祖神は優しく撫でた
ケイト「やっぱり俺…変われないよ
どの世界でも……
自分の好きにしていいだなんて思えない
大事にしたいとしか思えない
でも…出来ないんだ……
癌が生きていたら、消えちゃう…全部が、消えちゃう……
俺…俺……っ(ギリッ)←歯噛みする
(ぎゅううう)←拳を握り締める
どうしたら…いいか」頬を涙が伝う
始祖神「……‥大丈夫」
ケイト「…‥?」ずずっ←顔を上げて目を合わせる
始祖神「私が居る
皆が居る
皆…あなたと、気持ちは同じよ
大事にしなくていいものなんて一つも無い
だから分かち合うの、だから喜び合うの、支え合うし、大事にし合うし、思い遣り合うの…愛し合えるの
それを自分好みに破壊して回るから、自らの魂の外殻を壊してしまうの、自分の行いで、手で…行動で
それを少しでも減らさなくてはならないの、繰り返してはいけないの
そこを履き違えてるのよ、「癌」は…
だから…自ら消えて開花し、全てを消してしまう
その間まで気付くことも無く、誰からも気付かされることも無いまま…全世界消滅の「原点」となっているとも気付かずに
だから…消さなくてはならない
それはとても辛いこと…決して揺るがないことだから
だからと言って大事にしなくていい訳ではない
だからあなたは悩んでいる、苦しみ続けている